歯の病気というと、虫歯と歯周病ですが、虫歯は歯自体がやられてしまう病気、歯周病は歯を支えている周囲の組織がやられてしまう病気です。
歯を失う2大原因はこの「虫歯と歯周病」ですが、トップの位置を占めている病気は歯周病です。歯周病は30代、40代くらいから発症し、放置すると悪化の一途を辿りますが、正しく対処することにより、進行を止めたり、予防したりすることが可能な病気です。一生健康な歯で噛めるかどうかは、歯周病のコントロールにかかっていると言っても過言ではありません。歯が残っている方は今からでも遅くありません。できるだけ早いうちから歯周病対策をしていきましょう。
歯周病は、初期の頃にはあまりはっきりとした自覚症状がないのが特徴です。もし次のような症状がある場合、歯周病の可能性がありますので早めに歯科を受診しましょう。
歯周病は歯周病の原因菌が引き起こす病気ですが、歯周病菌がいるからといって必ずしも歯周病を発症するわけではありません。一般的には、お口の中の衛生状態が良くなくて歯周病菌が増えると、歯周病を発症します。また、歯周病を発症・悪化させやすくする要因というものがあります。例を挙げると、歯石、喫煙、歯ぎしり、ストレス、歯並びの悪さ、糖尿病といったものが挙げられます。そのため、歯周病を改善していくためには、まずはお口の清潔を保つこと、そして歯周病を悪化させる要因をできる限り取り除いていくことが大事です。
歯周病の治療は、主にお口の細菌の塊であるプラーク、そしてプラークが固まってできる歯石を取り除くことが主になります。歯周病がそれほど酷くなければ、このような治療を定期的に行い、家庭でのケアをしっかりと行うことで、症状を落ち着かせ、進行を止めることが可能です。ところが、ある程度歯周病が重度になってくると、このような治療では改善が難しくなってくるのと同時に、家庭でのケアも難しくなってきます。そこで、「歯周外科治療」という歯茎の手術や、歯周病で失われた組織を回復する「歯周再生療法」を行うこともあります。
歯周病を改善するためには、プラークを歯の周囲に溜めないことが最も大事です。これはプラークコントロールと呼ばれるものです。そのためにはまず、食生活の改善、正しい歯磨き方法を実践することが最も大事です。ところが、歯磨きは毎日行っていても実際にはきちんとできていないことが多いため、定期的に歯科医院でブラッシング状態の確認、そして指導を受けることが必要になります。
歯ブラシでは落ちないような歯石は、専用の機械で弾き飛ばしていきます。
歯周病が進行して歯茎の溝が深くなると、その内部にプラークや歯石がたまります。この歯茎内部のプラークや歯石を落とす治療のことをSRPといい、専用の器具で丁寧に取り除いていきます。
歯周病によって汚染された歯肉を切除し、それによって歯茎の溝を浅くすることにより、家庭でのケアが行いやすくなり、歯茎が健康に保たれやすくなります。
歯周病によって失われた組織を再生させる治療法です。
歯周病の治療は、基本的にプラークや歯石をコントロールして、歯周病の状態を落ち着かせることを目的としています。ですが重症化するにつれ、歯の周囲組織が失われ、歯を支えきれなくなります。そこで、この破壊された歯周組織を再生させようという治療が、歯周組織再生療法と呼ばれるものです。歯周再生療法では、歯の周囲をきれいに清掃した後に、歯の周囲組織の再生を促す材料を歯根表面に作用させ、歯周組織を活性化させることで再生を促していきます。